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多角化と海外輸出、ECに挑戦
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2017(平成29)年6月、市川社長が会長に就任し、第九代目社長に植木博行が就任しました。
植木社長の生い立ちと人となり
植木社長は、1956(昭和31)年に誕生。
1979(昭和54)年に京都工芸繊維大学繊維学部を卒業後、田村駒に入社します。
2003(平成15)年から経営企画室長を4年務め、2007(平成19)年に取締役に就任、ファッション営業部門の責任者として田村駒を牽引してきました。
2015(平成27)年に専務取締役となり、2017(平成29)年に、代表取締役社長に就任しました。
植木社長は細やかで丁寧なタイプ。一方で植木社長時代の田村駒は、大胆な投資による事業の多角化と海外生産・輸出強化、EC販売への挑戦を行いました。
大胆に投資による事業の多角化
2018(平成30)年、田村駒は、「第10次中期経営計画」をスタートさせました。この計画において、非繊維ビジネスの拡大が基本方針の一つとして掲げられました。
そこで、2019(平成31/令和元)年、積極的な投資を敢行します。
手芸商材を中心に扱う株式会社ツクリエを設立。
また、医療材料市場への進出を目的に、弾力繃帯やサポーター等、衛生材料の製造販売を営む田倉繃帯工業グループを買収しました。
さらに、ワイヤーハーネス製造販売を営むセイコー電機製作所グループを買収しました。
こうして事業の多角化を推進したのでした。
海外生産・輸出強化とEC販売への挑戦
「第10次中期経営計画」では、海外生産および販売戦略の強化も掲げられていました。
生産面においては、2019(平成31/令和元)年、バングラデシュにダッカ駐在員事務所を設立。
ベトナム、ミャンマー、カンボジアなど、ASEAN生産での実績も増加し、要望に合わせて柔軟に対応できる生産背景を整えていきました。
販売面においては、2017(平成29)年にミュンヘン事務所を設立。欧米への輸出販売の拠点としました。
海外拠点が整い、販売を強化しようとした矢先の2020(令和2)年、新型コロナウィルスが発生。
緊急事態宣言が発令されるなど、消費マインドは一気に冷え込むと同時に、ロックダウン、外出控えなど、海外への渡航が難しくなってしまいました。
こうしたなか、田村駒では自宅待機や交代出勤制などを取りながらも、事業活動を継続させ、「ピンチをチャンスに」を胸に、新たな挑戦を始めます。
2021(令和3)年、アウトドアの興隆とDX化の波を背景に、消費者直販・EC販売を見据えた挑戦として、カヤック&アウトドアギアブランド「FOLBOT(フォルボット)」を開始します。
仕入れ先・売り先を一から開拓。全国行脚しながらSNSを活用し、ブランドを訴求していきました。
ブランド開始から2年が経過した2023(令和5)年には、田村駒史上初となるEC販売を開始。
開始までにはさまざまな障壁がありましたが、徐々にファンも増え、社内にもノウハウが蓄積されていきました。
そして現在も更なる飛躍を遂げるため、挑戦を続けています。
サスティナビリティを核とした社会的責任の遂行
2015(平成27)年、国連でSDGsが採択され、その達成に向けてすべてのステイクホルダーの取り組みが求められるようになりました。
田村駒でも、持続可能な社会の実現が企業の発展の基盤であることを認識し、環境に対する負荷の低減に取り組みを開始しました。
サステナビリティ委員会を新設し、ガバナンス体制を根本から強化しました。
そして、2022(令和4)年11月15日・16日には、自社初となる「サスティナブル」をテーマにした「サスティナブル&機能素材展」を開催。
エコ・サスティナブルブース、リサイクルスキームブース、所有認証ブース、サスティナブル&機能素材ブース、機能素材ブース、ブランドビジネスSDGsブースと、6つのブースに分けて展示を行いました。多くの取引先が来場、好評を博しました。
同じ頃、物流面においては、CO2の50%削減を目標に、同業他社との共同配送の取り組みを開始。
2023(令和5)年3月には、貨物のセキュリティ管理と法令遵守の体制が整備された事業者に対して、税関手続等が緩和・簡素化される制度、AEOの特例輸入者に認定されました。
また「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定も受けました。
このように、環境・社会・社員に対する責任を多角的に果たす取り組みを行っていきました。
植木社長時代の田村駒は、新型コロナウィルスといった未知なる不安と戦いながら、ピンチをチャンスととらえることで、持続可能な社会の実現に向けて事業の多角化や海外輸出やEC販売に挑戦していったのです。



