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田村駒「フォルボット」をリブランディング 自社で企画から販売まで

ー直接つながりファン増やすー

田村駒は、米国のカヤックブランド「フォルボット」の日本での商標を取得した。カヤック&アウトドアギアブランドとしてリブランディングし、22年春夏から販売を始める。当面はサブライセンシーを募らず、自社で企画、製造、販売までを手掛け、従来よりも踏み込んだブランドビジネスを志向する。「インスタグラム」などでブランドアイデンティティーなどを発信して消費者と直接つながり、着実にファン層を増やす。

フォルボットは1933年に英・ロンドンでカヤックブランドとして創業。35年に米国に進出し、米国事業が主軸になった。2016年に米国での販売が終了。田村駒が今回日本でリブランディングし、復活させた。狙うのはアウトドアの中・上級者。「今はアアウトドア=キャンプが主流だが、こだわりのキャンパーに次のアクティビティーとしてカヤックシーンをお勧めしたい」とフォルボットプロジェクトの説田順司。販路はアウトドアショップや地方の有力店など。販売では、この分野で知見、人脈を持つ外部人材の協力を得る。

カヤック作りから始めた。日本の老舗カヤックメーカーと一緒に組み立て式カヤックをデザインし、製造する。35万円(本体)。テーマの一つが「収納」。カヤックは分解すると一つのバッグに収まり、簡単に持ち運べる設計。様々なキャンプグッズが装着できるようモールシステムを採用し、パドルも収納できる。色はベージュ、カーキ、黒。インスタグラムで発信したところ米国、欧州、中国などから問い合わせが入るなど好感触で、来春から店頭販売する。

ギアの企画・販売にも力が入る。メーカーと協業し、特許技術でコンパクトに収納できる焚き火台(1万3500円)や小型テーブルなどを開発。コーナー展開してもらえるよう、棚を準備し、カヤックを収納したバッグとギアを一緒に提案する。

田村駒オリジナル素材を使った機能的なアパレルや帽子も充実する。独自のナイロン素材は軽くて撥水、速乾性があり、ジャケット(1万4800円)やロングパンツ、ショートパンツ、帽子などで使う。アパレルも「収納」がテーマ。デザインはシンプルだがファスナーを開けるとマチのあるポケットが出てきたり、使い勝手の良いポケットやポケッタブル使用など。カットソー製品には綿タッチのポリエステル独自生地「ポリコット」を採用。トップはパドルを扱いやすいよう脇ではなく背中で縫い合わせる。他にスウェットやロゴTシャツもある。

今後はアウトドア展などで直接消費者に提案したり、試乗会を企画するなどファンを増やす。「ブランド価値を高め、消費者に支持されることが大事。それが出来ればおのずと広がる」とブランド事業の新たな手法に挑戦する。

2021年9月21日 繊研新聞