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田村駒上海紡織品 中国内販拡大へ 着分で細かく対応

田村駒の上海法人、田村駒上海紡織品は、中国での内販事業を強めている。軸となるのがテキスタイル販売。出資するニット工場で作るカットソー製品向け生地や日本製シャツ地「コンフィール」といった田村駒独自の生地を強みに拡販する。

出資する生地工場では布帛タイプのジャージー主力の「フィルジータ」が看板商品。生機を一部在庫し、別注対応も進めるが、「生地を評価してくれ、着分ですぐに欲しいというニーズに対応しきれず、取りこぼしていた」と反省。上期から染色済みの生地を16色用意し、最低1反から販売できる体制を整えたところ「着分でかなりの発注があった」と好評だ。着分販売きっかけに取り組みを強めて下期以降刈り取りに力を入れる。

田村駒独自の日本製ポリエステル経編みシャツ地、コンフィールも人気がある。3月に出展したインターテキスタイル上海ではユニフォーム関連企業などに積極的に提案した。ただ日本製のため納期や価格で折り合わないことがある。そのため上海近郊のニッターの協力を得て、同様の生地を中国で生産し、商材のバリエーションを豊富にする。「中国市場でも価格に対して非常にシビアになっている」という。日本向けでは、環境配慮型素材を使った商材のニーズが強まってきた。特に人気なのは、独自の再生コットン「リライズコットン」など。

販売の仕方も多彩にする。上海近郊のアパレルなどには自社でアプローチするが、中国市場を広く攻めるため、生地問屋や代理店を活用し、新規開拓を進める。

今期上期(21年1~6月)の業績は、前期のアイソレーションガウン分がなくなり減収・減益。医療用ガウンを除くと、微増収・減益。生地から提案し、本社と連携するゴルフウェア関連など日本向けスポーツ製品や大手SPA(製造小売業)向けの裏地販売などが伸びた。非繊維では日本の部材を断熱材メーカーに納める輸入事業が回復している。しかし原材料や加工賃などが上昇する一方で販売価格は上げるのが難しく収益性が落ちているのが悩み。下期も同様の傾向が続くとみる。

2021年 9月8日 繊研新聞