田村駒 衣料分野を維持し生活関連資材強化
田村駒は3カ年の新中期経営計画を4月からスタート。
全社スローガンとして「バリューアップ・フォー・ネクストステージ」を掲げ、営業基本方針として①重点販売先との取り組み強化と提供価値の向上②グループ会社連携による事業展開推進③グローバル事業基盤の構築④新規事業ビジネスの創出ーーを打ち出す。
成長分野と位置付ける生活関連資材の更なる拡販を狙い、担当営業部を事業部に格上げし、営業本部を2事業部体制から3事業部体制に変更した。衣料分野の構成比率を維持しつつ、環境変化に即した事業ポートフォリオを形成する構えだ。中計最終年度には売上高1300億円、経常利益35億円を目指す。
販売先との取り組み強化に向けて、衣料分野では重点販売先を見極め、サプライチェーンの中で差別化した機能素材およびサステイナブル(持続可能性)商材などの提供価値を高める。リビング分野では、テレビ・ECチャネルでの販売先との取り組みを更に強化。オリジナル商品の開発、ECによるプロモーション・販売のビジネススキームを構築する。
グループ会社連携では、各事業部がグループ会社と一体となった事業運営を推進。また、機能強化を目的としたM&A(企業の合併・買収)を検討する。
グローバル事業基盤の構築では、家電メーカーのASEAN(東南アジア諸国連合)シフトに対応した経営資源の投入を重視。セイコーマレーシア法人の取引形態や知見を取り入れて、海外販売の仕組み作りと人材育成を推進する。
新規事業ビジネス創出では、衛生商材・雑貨商材の開発と、EV(電気自動車)や不織布関連などの産業資材分野での拡大を目指す。新規事業を育成・強化するため、新規事業開発室や、市場開拓室を増員する。周辺事業展開支援や生産性向上を目的としたマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)推進チームも新設した。
2021年5月14日 繊研新聞