田村駒 21年春夏リアル展で手応え アポ制できっちり商談

田村駒は、21年春夏向け総合展示会を東京本社で開いた。今回は”3密”を避けるため完全アポイント制で実施した。「こういう状況下でもあり、アポイントが入るか、お客さんが来てくれるか心配だった」(植木博行社長)が、「スケジュールがびっしりと埋まった」と手応えを得た。

総合展の前に開いたメンズアパレル展で完全アポイント制を試し、「いける」と判断した。「これまでは朝と夕方に来場が集中し、十分に見てもらえないこともあった」と担当者。アポイント制で時間当たりの来場を限定することで「ゆっくりと見ていただき、じっくりと商談できた。お客さんもやっぱり実際に商品を見て触って決めたいし、新型コロナで落ち込んだ分をどう取り戻すか、新たなネタや仕掛けを求めるパワーを感じた」。初めて打ち出した陶器など新たな切り口への反応も良かったという。

21年春夏の全体テーマは「癒す」。「不安な気持ちをポジティブに変えたり、安全、安心感を与えるファッションが求められる」。「自分の気持ちを盛り上げる明るくカラフルな傾向と、家でゆっくり、リラックスできる二つのタイプに分かれるのでは」と分析する。

現代的なシルエットにフリル、刺繍などフェミニンな要素やオリエンタルな雰囲気を取り入れたスタイル、天然素材や環境配慮素材を使ったシンプルでナチュラルなスタイルなどを見せた。ニーズが高そうなのは、ヘンプ素材使いや透かし編み、フリル、ウェブ会議でもアクセントになるボータイデザイン、金属糸を使ったニットトップなど。

2020年7月7日 繊研新聞