田村駒 医療、介護分野拡大 医療材料メーカーを完全子会社化
繊維専門商社の田村駒が医療材料分野に参入した。包帯などの医療材料を製造、販売する田倉繃帯工業(東京都八王子市、田倉勉社長)とその関連会社の日本衛材の全株式を2月28日取得した。譲り受け価格は非公表。株式取得による今期の連結業績への影響は軽微という。田村駒の植木博行社長はこの間、今後成長が見込める介護分野などでの拡大を経営課題に挙げていた。
田倉繃帯工業の設立は1962年(創業は51年)。日本で初めて弾力包帯の開発・製造に成功した企業で衛生材料製造に特化する専業メーカー。近年は医療用に加え、介護分野やスポーツ分野に販路を拡大している。ゴム糸を使わず綿だけで高い伸縮性を発揮する弾力包帯やネット包帯、保温用サポーター、粘着性テープ、医療用コルセット、圧迫用ハイソックスなどの製造、OEM(相手先ブランドによる生産)を手掛ける。工場は東京都八王子市と石川県金沢市と日本のみで、従業員は65人。
これまで田村駒と田倉繃帯工業の取引はなかった。田村駒は、田倉繃帯が持つ製造機能や販路を活用し、医療、介護、スポーツ市場への幅広い商品供給を拡大する。経営体制は変更せず、田村駒は社外取締役を派遣する予定。
田村駒は、昨年12月にはワイヤーハーネスを製造販売するセイコー電機製作所グループを買収。既存事業と相乗効果が見込める新たな分野や販路の拡大を積極的に進めている。
2020年3月10日 繊研新聞