田村駒 生活資材、東南アジアに拠点 繊維はミャンマー生産拡大

田村駒が堅調な生活関連資材で積極的に投資している。昨年はグループ会社が中国・山東省煙台にスティック型掃除機やクーラーなど家電組み立て工場を新設。東南アジアでの生産ニーズの高まりから、タイやベトナムなどを候補に新たな生産拠点を東南アジアに作る。

「今年中に作りたい」と植木博行社長。工場を新設するか、既存工場の買収、専用ラインの確保になるかなどを詰めている。

田村駒は昨年12月、電線の集合体であるワイヤーハーネスを製造・販売するセイコー電機製作所グループを買収した、セイコー電機は製造工場をマレーシアに持ち、欧州有力家電メーカー向けが強い。セイコー電機のワイヤーハーネスと田村駒グループのプラスチック成型品を組み合わせて顧客に提案するなど様々な相乗効果を期待する。家電にとどまらず、医療機器や電気自動車など幅広い用途・業界を攻める武器にする。将来的には「(自動車を除き)最終製品まで手掛けたい」考え。

セイコー電機は特に欧州向けが強いためマレーシア工場を活用した外・外貿易のノウハウを吸収する。そのため、同社に役員に加え、営業マンも派遣する。

繊維事業では、ミャンマーやバングラデシュでのアパレル生産を増やす。ミャンマーでは布帛を中心にファッション製品向けで新たな縫製工場と取り組むなど拡充する。ベトナムで人件費が高騰していることやバングラデシュでは大ロットが中心のため、特恵関税が生かせて中ロット生産できるミャンマーに注目する。昨年駐在員事務所を開設したバングラデシュでは主力10工場との取り組みを深める。布帛製品も作るが特に現地で素材調達し一貫で手掛けるカットソー製品、セーターで強みを発揮。現地スタッフを増員して強化する。

繊維事業でも「M&A(企業の合併・買収)交渉を進めている案件がある」としており、繊維、非繊維に限らず既存事業と相乗効果が期待できる案件は積極的に検討し、事業拡大を狙う。またリビング関連では、メーカーと一緒に高反発マットレスのリサイクル事業を始めるなど環境に配慮した取り組みも進む。

2020年2月6日 繊研新聞