田村駒 下期 小売業との取り組み強化
田村駒は、今期(20年3月期)が中期経営計画の2年目となるが、下期以降、中計で掲げる営業面の三つの基本方針をさらに進める。
方針の一つ目の「川下顧客攻略」は、衣料では上期、大手SPA(製造小売業)やセレクトショップなどの専門店との取り組み型ビジネスが拡大し、さらに強める。生産面では、ベトナムやバングラデシュで生産拠点を整備し、生産トラブルが減少。自社で開発する機能素材を製品事業につなげ、利益率が改善した。二つ目の「非繊維ビジネスの拡大」では、家電関連で上期に中国で本格稼働した家電部材組み立て工場の活用や顧客のタイへの生産移管などで販売が伸びている。今後も外・外ビジネスを拡大する。三つ目の「海外での生産、販売戦略」に関しては、生産面では上期にバングラデシュ・ダッカに駐在員事務所を新設した。同国での生産数量が順調に増えており、生産管理や品質管理の拠点として現地工場との協業による拡大を積極的に進める。販売面では欧州向けで、従来の生地や雑貨の販売に加え、東南アジアの生産背景や独ミュンヘン事務所を活用した製品販売を強める。
今年度は通期で売上高1200億円、営業利益、経常利益が25億円、純利益は17億円の予想。
2019年11月19日 繊研新聞