メンズの人気素材をレディースへ見せ方工夫し用途広げる

田村駒はメンズ向けで人気のテキスタイルをレディスアパレルOEM(相手先ブランドによる生産)で活用したり、逆にレディス向けを想定して作った生地をメンズOEMで見せるなど提案の幅を広げている。

日本だけでなく中国でも売れているのが経編みのポリエステル100%のシャツ地「コンフィール」。ストレッチ性に加え、「シワになりにくく、洗濯してもすぐ乾く」とメンズのシャツ向けでヒット。レディースのブラウスにも広がってきたが、総合展では「キッチュ」をテーマにした大人のガーリースタイルで表現した。新柄などを中心にレディースのワンピースやチュニック、トップなど見せ方を大きく変えたところ、手応えがあった。日本生産のみだがベトナムでの生地生産にも着手する。

接触冷感素材群「グレーシャー」は、機能性の高さからスポーツ関連などでの採用が多いが、レディスやメンズのカジュアルファッション向けでの提案を強める。キュプラ「ベンベルグ」を使った高級素材「ペンナ」はレディス向けでバリエーションを広げる。キュプラ100%に加え、シワになりにくいなどのイージーケア性を持つポリエステル混も開発、価格帯の幅も広げ販売に力が入る。

ハイゲージジャージーがレディスなどで人気のオリジナルファクトリー生地ブランド「フィルジータ」はメンズ向けでハリのある42ゲージのデザインTシャツを作った。肌面にグレーシャーを使い、デザインと機能性を融合する。19年春夏ではレディス向けで見せていた、熱融着糸を使った「フォルメ」がハリがあり仕立て映えすることから、20年春夏ではメンズのコートやセットアップで積極的に提案し好評だ。

 

繊研新聞  2019年7月18日