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田村駒アパレル製品事業 東南アジアシフト加速 顧客ニーズに幅広く対応

 田村駒は、アパレル製品事業で東南アジアやバングラデシュでの生産をさらに増やす。中国でのロックダウン(都市封鎖)がきっかけとなり、東南アジアやバングラデシュの活用が加速。生地・製品含めた中国調達比率は2年前の7割超から前期(23年3月期)は62%に下がった。

 枚数ベースで中国に次ぐ2位はバングラデシュで、3位がベトナム。バングラデシュのシェアは前年並みだが中身が変わった。バングラデシュの強みが出せる糸から製品まで一貫のニットやカットソー製品に絞り込み、強化する。一方で布帛アイテムは主にカンボジアに移管し、役割分担を明確にした。バングラデシュ・ダッカ事務所は生産管理を含め増員している。

 ベトナムの活用も進む。中国でのロックダウンを受け、生産量の半分をベトナムに切り替えたのがゴルフ関連。以前から受注は堅調だが中国生産が中心でコストが上昇、収益が伸び悩んでいた。生産数量が一定ある定番に近い商材などをベトナムに移し、中国は小ロットや難度が高い商品に絞った。素材からの一貫を含めベトナム生産をさらに増やす。

 ベトナム生産で強みを出していたのがフォーマル関連。南中部・クイニョンを拠点に自社ラインを最大17まで拡大していたがコロナ禍で14ラインに減らした。「フォーマル需要が大きく回復し、生産が追い付かない」(藤原清朋取締役第1事業部長)とすでに16ラインに増やし、5月には17ラインに戻す計画。

 インドネシア生産も増えている。元々スポーツ関連のポロシャツなどを生産していたが、新たにカジュアルなカットソー製品の生産を開始。生地からの一貫で強みを発揮する。フォーマル向けの生地調達も進む。

 第1事業部の前期業績は、有力顧客との取り組みを深め、10%超の増収・大幅増益だった。上期は中国でのロックダウンや急激な円安、コスト高などで利益が苦戦したが、下期から回復している。「上位取引先向けが良く伸びている」と藤原取締役。小ロット・QR対応や新たなサプライチェーンの構築、販売面の協力など「顧客ごとに様々なニーズがあり、それらに適応することが大事」と幅広いニーズに応え、業績回復につなげた。今期(24年3月期)も「この方針に変わりはない」と増収・増益を目指す。

 新たな成長の芽も出てきた。日本での商標権を持つカヤック&アウトドアギアの「フォルボット」の販売が伸びている。アウトドア専門店向けの卸が好調で、百貨店での期間限定店の話もある。「次のステージに向かいたい」と生産背景を充実しながら、自社ECサイトを立ち上げて直接販売する計画や「海外からのオファーがある」とアジアでの販売を視野に入れる。

2023年4月21日 繊研新聞