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田村駒の今期方針 生産背景確保し収益改善 勢いある生活資材を強化

 前期利益面で苦戦した田村駒は今期(23年3月期)、売上高930億円、営業利益24億円、経常利益25億円、純利益15億円と収益面を回復させる。一番は前期、コロナ禍で大きな生産ロスを発生したサプライチェーンの立て直しと整備。

(高田淳史)

 「今期もそこそこの受注はある」(植木博行社長)とバングラデシュやベトナムでの生産背景を整備、充実することで円安やコスト高などの中でも「利益は一定回復できる」とみる。特にバングラデシュでは取り組む工場を絞り込み、生産スペースを確保、有力顧客との話し込みが進む。来年1~3月までのオーダーを商談中だ。

 ベトナムでは工場開拓を進める。従来の主力のカントーなど南部で工賃が上昇しており、北・中部での生産を増やす方針。大ロット・低価格、小ロット・短納期を武器に中国を含めたサプライチェーンの強みを生かし、有力取引先やEC販売を得意とする企業などとの取り組みを深める。

 「重点販売先との取り組みは深まっている」と植木社長。田村駒単体の販売先上位20社の売り上げ合計は前期伸びた。こうした企業との取り組みをさらに強める考えで、そのためにも「生産スペースの確保が欠かせない」という。

 「GNB問題で出遅れたが体制を整えて挽回する」とサスティナビリティ委員会を新設し、環境に配慮した素材も充実する。「ヒット商品からエコ化を進めている」と従来品から再生糸などへの置き換えが進む。

 「勢いのある事業をさらに伸ばす」と生活資材関連事業への人員シフトを進める。衣料分野から若手社員を異動させたり、この分野に特化した人材を中途採用し、増員と社内人材の教育や育成を同時に進め、環境変化に合わせた事業ポートフォリオを形成する。現在の1部2課体制を2年後くらいには「4課ほどにしたい」と同事業の幅も広げる。

 新規事業の創出も鍵だ。繊維の用途拡大を目指し産業資材分野を強めることに加え、今後増えるアクティブシニア層を獲得しようとトキメクジャパンに出資。商品開発と流通開拓を進め、市場を開拓する。

 住宅関連資材分野では、黒田工業を買収。鉄骨・構造資材から外壁工事まで一括で受注できる体制を構築する。衛生商材分野では、生産能力増強のため、田倉繃帯工業の北陸第二工場を設立。試験生産中で今秋から顧客向けの生産を始めるなど、成長に向け様々な手を打っている。

2022年5月17日 繊研新聞