04 - Story of Emotions

うごめくアジアの真ん中は、
奔走」という言葉がよく似合う。

ホーチミン事務所 八畑 俊太 2014年入社

行き交うバイクの喧騒。照りつける日差し。 一歩通りに出れば、あふれる人、また人。 男は今、ベトナム一の経済都市、ホーチミンの真ん中にいる。

将来は、海外、特に東南アジアと関わる仕事がしたい。
そう思い、商社を志した。
何を扱うかよりは、どんな環境で働くか。 彼にとっては、それが大事なことだった。 入社した時から、希望はベトナム勤務。 大学の時に行った東南アジア旅行ではじめてその活気にふれた時から、 今にも爆発的に成長しそうな雰囲気に
ワクワクする気持ちが止まらなかった。

ところが、はじめて仕事で行ったベトナムは、 彼にとって、思い出したくもない記憶になった。

メンズカジュアルを担当していた3年目のこと。 ベトナムで生産していた製品が、 期日間近になっても一向に仕上がってきそうもない。 危険を察知した彼はすぐに現地に飛び、 原因究明に取り掛かった。

問題はすぐにわかった。 生産の過程でミスが起きたが、 その報告が上がってきていなかったのだ。 トラブル対応に奔走し、気づけば10日間、 工場にベタ付きの日々。 現地スタッフと積極的に コミュニケーションを交わし、 一つひとつの工程を丁寧 かつスピーディーに進めていく。

最後の仕上げ作業をしたのち、 検品所まではタクシー数台で製品ごと移動。 検品後はさらにそれを自分たちで空港まで運び込み、 なんとか無事に出荷できた。

手に汗握るギリギリの進行。 何とか間に合い、事なきを得たからよかったものの、 生きた心地のしない日々だった。

ベトナム駐在を言い渡されたのは、 その2年後、5年目の春だった。

今の仕事は、日々、日本本社の営業担当から来る問い合わせに対して、 調査し、調整し、回答するという役回り。 たとえば、生産に関する工場との調整やトラブルの原因究明など、 いわば、現地の何でも屋さんといったところだ。 そのおかげで、いろいろな人とのつながりができた。

日本から出張者が来る場合は現地の案内もするので、 社内のつながりも自然と増えてきた。

目下の悩みは、現地の人とのコミュニケーション。 お国柄もあるのかメールの返信は遅く、 しかもお互い第二言語(英語)での会話でストレスがある。 一見穏やかそうにみえるが、実は感情的。 何かをやってほしいと指示を出すと議論になることもある。 けど、それでいいと思っている。 そうやって言葉を交わすことでしか、 信頼関係は生まれないと思っているから。

トラブルが起きない日はない。 わからない中を手探りで奔走し、 うまく解決できたときに感謝されるとやはり嬉しい。 やってよかった、がんばってよかった、と心から思う。 今はまだ、その喜びがあればいい。 ただ、そこはスタートであって、ゴールではない。

将来的には、自分が一から作り上げた 独自のビジネスを展開することを目論んでいる。 ベトナムだけじゃなく、 タイやミャンマーなど活気ある周辺国を巻き込んで、 大きなビジネスをできないか。そこがゴールではないけれど、 ひとまずはそこを目指してやっていく。

ベトナムでの自分は、まだまだこれから。 彼は、この国の未来と、 自分の未来を重ね合わせている。

うごめくアジアの真ん中は、奔走」という言葉がよく似合う。 八畑 俊太の物語