02 - Story of Emotions

感謝がうまれるその場所が、
自分の居場所であってほしい。

第2事業部第3部 岩﨑 健悟 2013年入社
寝装・寝具営業担当

大学時代はいわゆる「服狂い」。 バイトで稼いだお金はすべて古着に使った。 アメリカントラディショナルや、イタリア系のスーツスタイル。 服を買うために、食費を限界まで削る生活。 ああ、腹減ったなぁなんて言いながら、 毎日のように古着屋に顔を出した。何よりも服が好きだった。

服に関わる仕事がしたい。 そんな想いからアパレル企業を調べる中、 繊維商社の存在を知った。 表には出ない、裏方の仕事。 しかし、服作りに川上から川下までトータルに関われる。 これだ、と思った。

田村駒を選んだ理由は、その柔らかい雰囲気。 パワフルでガツガツを前面に、という感じじゃない。 どちらかと言えば、マイルドでアットホーム。 選考で会った社員さんは皆、話しやすくて和やかだった。 繊維商社の仕事を、こんな人達と一緒にできたら楽しいだろうと思った。

入社2年目、子供服の部隊にいた時のこと。 中国の納品先からクレームが入った。 どうやら生地の不良が起きているとのこと。 詳細を調べるには現場に行かねばならない。 クレームが入ったのが金曜の夜、 週明けの月曜の朝には空港にいた。

現地に行って理解した。生地には確かに、問題があった。 納品先の担当者はカンカン。 しかも、キャリアの浅い自分よりずっとベテランで、知識も多い。 議論で勝つことなど出来はしない。

何時間も怒られた。できるのは頭を下げることだけだった。 相手の言い分を聞き、精一杯理解し、その上でこちらの要望を伝えた。 最後はもう、「人間と人間」のぶつかり合いだ。 やがて相手の態度が変わり始め、最後には納得してくれた。

海外研修でも訪れていたベトナムでも同じようなことがあった。 縫製工場との来シーズンの商品打ち合わせの最中、 これから製造ラインに投入する製品用の生地に大きな不良が見つかった。 通常ならこのまま縫うなんて出来ないほどの不良。 これを縫うには、裁断にも縫製にも倍以上の時間と手間をかける必要がある。 工場からは「こんな生地を縫うのは無理だ。そんな無理なことばかり 言ってくるなら来シーズンはもうおたくの仕事は受けない」と言われてしまった。 しかし「はいそうですか」と引き下がるわけにはいかない。何時間も何時間も、「この生地で何とか縫って欲しい」 「次の仕事も受けて欲しい」と徹底的に頼み込んだ。本当に必死だった。そしてようやく気持ちは伝わり 「そんなにも真剣に考えてくれているなら……頑張るよ」と、最後には笑顔で答えてくれた。

繊維商社は、自分たちで商品を作るわけではない。 生地を織るのも、それを服に仕立てるのも、別の会社の人たちだ。 この仕事は、第三者の協力なくして成り立たない。 だからこそ、常に感謝の気持ちを持つことが重要だ。 さらに言えば、自分が相手に渡したその感謝が、 別の人、別の人へと渡されていくような環境を作ることが理想的。 繊維商社は、ただ商品を調達するのが仕事ではない。 プロジェクトに関わる人皆がハッピーになれるような 感謝のループ、信頼関係の輪を作り上げることなのだ。 これらのトラブルを通じて学んだのは、そういうことだ。

入社理由は、服が好きだから。 今でもその気持ちに変わりはないが、仕事をしていて一番うれしいのは、 「感謝」の起点になれた実感がある時だ。 「岩﨑が担当でよかった。岩﨑のおかげで、皆が気持ちよく働けた」 こんなことを言ってもらえた時が、最高にうれしい。 好きな服を通じて、自分を含めた皆が幸せになる。 こんなに素晴らしいことがあるだろうか。

今は、服作りから寝装寝具にフィールドを移し、 日々、ライフスタイルを彩るアイテムの提案に取り組んでいる。 けれど、何を扱おうが、自分の役割は変わらない。 これからも、より多くの方とつながり、感謝し、 そしてその感謝が行き交うような環境を作っていきたい。 自分が感謝の起点、そして橋渡し役になって、 少しずつでも世の中を良くしていけたらいいと考えている。

感謝がうまれるその場所が、自分の居場所であってほしい。 岩﨑 健悟の物語